日本の未来の住宅かもしれない 書評 高村友也著「スモールハウス」
こんにちは パパQです。
日本という国は生きていくだけで、しなければならないことが多すぎる。普通に生活していこうとすると、移動手段や情報収集ツール、身なりを整える。そして人生のうちでもっとも高い買い物が家です。
日本人は一箇所に住むことがすばらしいという考え方が強い。老舗のお店や長男が家を継ぐことなどは、日本の文化に大きく影響している。
家のローンを払うために、死ぬまで働かないといけないとしたら、いったい何のために生きているのだろう?
果たして、今の住宅環境がベストなのか?もっと住まいの選択を増やし、豊かさの自由を増やすことは可能なのであろうか?
そんな疑問に答えてくれる。
高村友也著「スモールハウス」を読んだので、ご紹介します。
スモールハウス 3坪で手に入れるシンプルで自由な生き方 (DO BOOKS)
- 作者: 高村友也
- 出版社/メーカー: 同文館出版
- 発売日: 2012/08/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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日本ではスモールハウス 英語ではtiny houseタイニーハウスと呼んでいる。 tinyは小さいという意味です。
big is best 、big is no1の国、アメリカで少しずつ広まってきている。資本主義の大国であるアメリカでこのような家を持つ人が増えている原因からみていこう。
スモールハウスムーブメントとは
「スモールハウス」英語では tiny house(タイニーハウス)と呼んでいます。それがブームになり、スモールハウスを専門とする企業が増えて、スモールハウスに関心がある人が増えてきた。これを「スモールハウスムーブメント」と呼んでいます。
スモールハウス、タイニーハウスは1997年にアメリカの建築家 Sarah Susanka が小さな家で暮らす生き方「スモールハウスムーブメント」を提唱
1999年にアイオワ大学の美術教師 Jay Shafer が約10㎡(約6畳)のスモールハウスを建造。入り口のデッキを含めて4.2×2.3mというサイズは、偶然にも日本の建築基準法では建築確認申請がいらない大きさであった。「The ELM」と名づけられたこの家は翌年の2000年に雑誌で賞を受賞。その存在は一気に全米に知られる事となる。
急速にこの考えが広まったのは、2008年頃の経済破綻が原因だと言われています。特に、サブプライムローンの破綻が大きな原因とされています。
サブプライムローンの破綻とは、返済に無理がある住宅ローンを貸し付けけど、実際に返せなくなったということです。
大きな家のために、死ぬまで働かないと、返せない金額のローンをすること。これでは何のために生きているのか、家の支払いのために生きているのかよくわからなくなった。そこで大きな家はもつものじゃないという考えに変わっていったそうです。
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ムーブメントにまでなっている理由
この間の記事の「ミニマリストの記事へのはてぶコメントについて感じていたこと」です。
ミニマリストの考えには「貧乏になってきたので、しかたなく小さな家にしようか」というネガティブで一時的な妥協感情から起きている。金持ちの道楽だ。「もしお金持ちになれば、豪邸を建てるはずと思っている人もいるだろう。高村友也著「スモールハウス」より
この本で興味深いのは
お金がないから小さな家に住む、お金があれば豪邸に住むという考えでは、ムーブメントは起こらない。ムーブメントになるには、もうちょっと能動性、志向性があるはず。この動きの本当の原動力は何か?という点です。そこを本書を通じて伝えたいと思っている。高村友也著「スモールハウス」より
そう、そこですよ。お金がないからシンプルな暮らし、持たない暮らし、消費を少なくするというネガティブな感情があります。でも、それだと世の中に広まる力はないんです。ムーブメントになっている本当の理由をぜひ本を呼んで共感してもらいたい。
スモールハウスとはどんな家なのか?
スモールハウスのターニングポイントとなった人物
この本ではスモールハウスを知る上で重要な人物を紹介している。ここでは一番はじめに出てくる人物を紹介する。
ジェイ ・シェファー(jay Shafer)
彼が最初に「スモールハウス」を立てたのは1999年。その理由は「たくさんの物や空間に気を配るのは面倒だ」という理由です。
どのくらいの大きさかといえば、10平米(駐車場の車一台分)である。
僕は、自分の平穏な暮らしを支えてくれる家がほしかったのであって、それを支えるために暮らしを捧げるような家は欲しくなかった。一方で、家賃という考えはなかった。借り物じゃなくて、自分色に染めて使える、正真正銘の自分の家がほしかったんだ。高村友也著「スモールハウス」より
2000年に「ナチュラル・ホーム」という雑誌の年間大賞を受賞する。突如としてアメリカ中の注目を集める。
引き算方式で建てられた家
完璧なデザインというのは、それ以上加えるものがないときではなく、それ以上取り除くべきものがないときに、初めて達成される。サン=テグジェペリ
この本に興味があるなら、「スマートサイジング」もぜひ読んでもらいたい。
スマートサイジングという聞きなれない言葉がある。サイジングとはダウンサイジングといったような意味で、モノを小さくするとか、コストを抑える、といった意味です。そこにスマートをつけているところが、シンプルでかっこいいイメージを与えます。
この本ではスマートハウス(タイニーハウス)に住むまでの経緯、どうしてそのような暮らしを選んでいったのか、詳しく書かれています。
著者のブログ
RowdyKittens — go small, think big & be happy
Tammy Strobel (@RowdyKittens) | Twitter
日本ではどのような状況なのか
日本の新たな住まい方をつくる、YADOKARIスモールハウス 「INSPIRATION by YADOKARI」 - クラウドファンディングのMotionGallery
このサイトではスモールハウスを「YADOKARIスモールハウス」と呼んでいます。新しい住まいの作り方を提案しています。
僕らYADOKARIは2011年3月11日に起きた東日本大震災が大きなきっかけとなって、住まいを考え直す活動を始めました。35年ローンを組んだり、高い賃貸の家賃を払ったりして、家族との時間も満足に持てず、住宅のために働くという生き方でいいのかと。日本の新たな住まい方をつくる、YADOKARIスモールハウス より
日本は地震大国でありながら、同じ場所に住み続ける風習が強い。老舗といったお店は代々受け継がれた土地と家で生活する文化や長男は実家を継ぐといった文化です。
未来の住まい方
日本の住まいの歴史は詳しくはわかりませんが、未来にはどんな住まいがあるのでしょうか?
未来住まい方会議 by YADOKARI | ミニマルライフ/多拠点居住/スモールハウス/モバイルハウスから「これからの豊かさ」を考え実践する為のメディア。
このサイトでは、本当の豊かさ、未来の豊かさを模索して、実際どのような住まいが可能であるか研究しています。
インターネットインフラが整った今、一つの場所に固執し暮らしていく必要はなくなりつつあります。住む場所、住む家の選択肢を増やし、人生の満足度/幸福度を上げられないか?
ライフスタイルの多様化
小さな家に住むことで、生き方や住まいの選択肢が増えたのは事実です。とくに、インフラが整った時代に、どこででも仕事をしようと思えばできる。実際ブロガーで食べている人なら、場所は限定されません。
幸福の多様化
生き方の多様化が進めば、いろんな選択肢があったもいいように、幸福に関しても、もっと自由でいいと思います。
同じ収入であっても、使い方によっては満足できる生活ができます。そのためにも、シンプルで無駄の無い生き方という選択肢もあるのではないかと思います。
最後に
なぜネガティブな感情から始まった「スモールハウス」が、なぜムーブメントになるまでの力があったのか?次回もまたまとめていきたいと思います。
この本に日本の流行を知るには10年前のアメリカの知れば分かると書いてありました。2008年の経済破綻によって、アメリカは住まいを変更せざるおえなかった。
日本にもこの流れは絶対に来ると思います。景気の問題や家族の形やインフラが整ったことにより、仕事の環境の幅広がったこと。気になるのは、東日本大震災のような自然災害です。いつ起きるか分かりませんが、まず失うのは自分の家だと思います。
その他参考サイト
実際購入した方のブログ
スモールハウスを学ぶためのおすすめサイト
「スモールハウスムーブメント」-2- ジェイ・シェファーが初めて作ったスモールハウスは六畳サイズだった。 : Martin Island ~空と森と水と~
ローンなし、煩わしいことなし。住まいを小さくして自由に生きよう!「未来住まい方会議」YADOKARI×鈴木菜央による、場所・時間・お金に縛られない暮らしかた | greenz.jp グリーンズ
安芸でスモールハウス製作中-イケダハヤトさんの記事で話題に - 高知経済新聞
関連書籍
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