脳は快楽より危険を記憶しやすい:なぜ人は楽観主義と悲観主義に分かれてしまうのか?
こんにちは パパQです
この記事を読まれた方はいるでしょうか?
楽観的な人、悲観的な人がいるのはナゼ 脳科学が解き明かす人格形成の秘密|World Voiceプレミアム|ダイヤモンド・オンライン
“英国オックスフォード大学で、感情神経科学センターを率いる、エレーヌ・フォックス教授が著した『Rainy Brain, Sunny Brain』である。同著は欧米5ヵ国で翻訳される話題となり、このほど日本版『脳科学は人格を変えられる
1年前の記事ですが、
先週からNHKの白熱教室という番組で特集されます。
どうして人間にはどんな逆境にもめげず楽観的に立ち向かっていける人と、すべてを悲観的に捉える人がいるのだろうか。脳科学に対する注目が高まっているいま、こうした疑問を考えるのに参考となる本が刊行された。英国オックスフォード大学で、感情神経科学センターを率いる、エレーヌ・フォックス教授が著した『Rainy Brain, Sunny Brain』
楽観的な人、悲観的な人がいるのはナゼ 脳科学が解き明かす人格形成の秘密|World Voiceプレミアム|ダイヤモンド・オンライン
脳の仕組みと心理学の「認知バイアス」を使って、楽観脳と悲観脳を分析しています。
簡単に番組内容をまとめると
- 楽観主義と悲観主義は「認知バイアス」が影響をしている。
- そこには原始的な恐怖の感情がスタートになってる。
- 恐怖の感情をつかさどる扁桃体は原始的な脳であり、危険を回避するために発達した。たとえば、原始時代であれば、エサを探すつもりが、自分がエサになってしまうこともある。
- それが注意バイアス 解釈バイアス 記憶バイアスの発達と関係して、楽観的なことより否定的な記憶や否定的な解釈や否定的な記憶が受けやすい仕組みになっている。
- 脳は多くの情報から快楽と危険を察知しているが、恐怖の感情は危険を回避するという本能が強いため、反応が早く、記憶に残りやすくなっている。
- 脳を心理学的に大き分けると最初に生命脳は発達して、その上に感情脳の発達して、その上に思考脳が発達した。人間は特に理性的な脳が進化している。
- 危険を感じる感情の扁桃体が発達しているために、生命が生き延びることができた。現代では扁桃体を手術でなくした人が存在している。そのような人たちは外見の変化は見られないが、車が来ても、危険を感じないし、火を見ても平気で触りやけどを負うこともある。
- 悲観主義は人類が生き延びるためには必ず必要である。
- 悲観主義は危険を察知する仕事(医者や運転手や評論家など)が向いている。
- 逆に、楽観主義は世の中には善人が多いという思ってしまう「認知バイアス」がかかり、人を信用しすぎてしまうことがある
- お互いにメリットとデメリットがある
「認知バイアス」とは
心理学に興味がある人なら「認知バイアス」という言葉を知っていると思います。
「認知バイアス」で検索すると
総まとめ。あなたが間違いを犯す36の心理パターン - ジャスウィル社員ブログ
4年前の記事ですが、「認知バイアス」について簡単にまとめられていています。
不合理な選択のことを「社会心理学」で「認知バイアス」と言い、日々その心理パターンが解明されています。解明されている心理パターンは、誰にでも当てはまってしまう人間の特性です。
総まとめ。あなたが間違いを犯す36の心理パターン - ジャスウィル社員ブログ
他のサイトでは
Scientific-Global.net 認知バイアスを知っていますか
ずいぶん前ですが、ビートたけしさんの名言「赤信号みんなで渡れば怖くない」がありますが、これって認知バイアスの「リスキーシフト」という行動なんですね。これを知っていたのか、笑わせようとしたのか分かりませんが、すごい分析力です。
「リスキーシフト」の恐ろしさは、集団の力に個人の力が潰されてしまうことだと思います。個人の力が無力だと感じたときに、人は集団にながされてしまうかもしれません。国全体が間違った方向に行くと、だれも修正ができなくなってしまう恐れもあるのです。
個人的にリスキーシフトだと感じた行動は、中国では交差点がないところや、赤信号でも車が来ていなければ渡っていきます。そもそも信号がない場所が多く、待っていたら渡れないからです。おそらく中国で信号を守ってくださいと声を上げてもだれも反応しないでしょう。
バンドワゴン効果
「多くの人が価値を感じているものは、自分にとっても価値が高い」というステレオタイプ的な思考が影響している。
売れているものが、売れる現象とか、列が出来ているから、美味しい店だと判断する。子供のときに、おもちゃを買ってほしい理由で、友達が持っているから、私もほしいというのもこれに当たると思います。
ランキングやTOP10の弊害でしょうか?
ブログで例えるなら、たくさんはてぶされていると見たくなるが、なんでこんなつまらない記事に多くのはてブがつくのだろうと思い、そのことをコメントに残すと、またはてぶが増えてしまう。
観察者バイアス:悪いところばかり見てしまう
感情バイアス:不快な事実は認めたくない
確証バイアス:都合の良い事実しか見ない
内集団バイアス:自分側が正しい、優れているという思考
これは同調圧力にもなる。
偏見やレッテル貼りも「認知バイアス」のうちに入ると思います。
恐怖を強く記憶してしまう脳の仕組み
なぜ恐怖を感じる感情脳が発達したのかというと、生命の歴史を見ればよくわかります。生き延びることができたのは、危険を察知する脳が発達したからです。
だから、感情脳というのは、本能に近いため、快楽と比べると、脳に与える信号が強いので、影響を受けやすく、記憶しやすいという特徴があります。 それが無意識の行動を引き起こしやすく、さまざまな認知バイアスになっているのです。
現代社会でもこの恐怖のメカニズムを利用しているものはたくさんあります。
- たのしみを与えるより、恐怖を煽る方が人は影響を受けやすい。将来に不安を感じている人ほど、騙されやすい。
- 悪いニュースが多いのは、人の注意が引きやすく、記憶に残りやすいため
- 政治や選挙は、将来の不安を取り上げたほうが、説得力があり、記憶に残りやすい
- ビジネスや商売でも、これがあると楽しいですよと宣伝するより、不安を提示してから商品を紹介する方法。合理的な判断ができなくなってしまうことを利用している
- 宗教は人間の根源的な恐怖の感情を利用している。
まとめ
脳は多くの情報から恐怖や不安を感じることができたので、危険を回避でき、それがすべての進化につながっています。
だから、快楽よりも恐怖や不安に気づくスピードの方が早く、記憶に残りやすいという特徴があり、失敗というのも、恐怖や不安につながっているので、悲観主義の人やウツ症状がある人は、情報から過去の不安や恐怖を思い出してしまうのです。
それは毎日行われるので、強化されます。そして、人間には「認知バイアス」という一定の心理パターンが存在するため、感情の恐怖の部分と関係して、楽観的な人と悲観的な人と分かれていくのです。
こういった心理を理解している人は、まるで、本人が選んだように見せて、実は選ばさせている状況を作っているかもしれませんね。
次回も楽しみです。
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