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小説版ムーミン7巻の話はぶっ飛んでいる。ホラーとしても読めるが、テーマは自己喪失から解放

http://www.flickr.com/photos/25944494@N00/35543818

photo by hfb

こんにちはパパQです。

去年からトーベ・ヤンソン生誕100周年ということで、ムーミン展が全国で開かれています。

「MOOMIN!ムーミン展」全国巡回中!|キャラクター|絵本(えほん)とキャラクターの雑誌、毎月3日発売『月刊MOE』

 

去年から全国を回って、残り3箇所です。

●2015年2月19日(木)~3月15日(日)
松山市 愛媛県美術館
http://www.ehime-art.jp

●2015年3月20日(金)~4月19日(日)
岡山市 岡山県立美術館
http://www.pref.okayama.jp/seikatsu/kenbi/

●2015年4月25日(土)~5月17日(日)
名古屋市 松坂屋美術館
http://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/museum/ 

地元の岡山でも、3月20日から開催します。

小説版ムーミン7巻はホラーとしても読める。

ムーミンをテレビで見たことがある人は多いと思います。ほのぼのしたかわいいキャラクターや魅力的なキャラクターがたくさん出てきます。

ディズニーのキャラクターとは違った魅力があります。

去年の展示会と一緒に発売されたであろう限定BOXセット

そして今回読んだ

 ムーミンパパ海へ行く

新装版 ムーミンパパ海へいく (講談社文庫)

新装版 ムーミンパパ海へいく (講談社文庫)

 

 

この7巻は大人向けの話になっています。

ムーミンパパの苦悩からはじまります。やさしい面影のあるムーミンパパではない。

山火事を消したムーミントロールはムーミンパパに報告しました。
「ぼくたちだけで山火事を消したんだよ」

 ムーミンパパは褒めると思いきや

「わたしをなかまにいれないで、おまえたちだけでけしただって?なぜ、だれもわたしにいってこなかったんだ。おまえたちは、なにもいわずにわしをねかしておいたのか」

山火事のあとをみて、ムーミンパパは

「このぐらいのこげあとなら、危険じゃないなんて思ったら、大間違いだぞ。とんでもない。苔の下でくすぶりつづけることもあるんだ。地面の下で何時間も」 

 といって、ムーミンパパは怒ったようにこけの中ほりながら、

「わしはここで番をするよ。必要とあれば、一晩中だってここにいるさ」

なんとも 頑固なムーミンパパでしょう。

ムーミン谷の中心には水晶玉があります。そこを覗くと、ムーミン谷に住んでいる人が何をしているかが、見えるのです。

いつもムーミンパパはそれを見ては、いつもわしがみんなをまもってやる必要があるのだと感じるのでした。

かわいいムーミントロールや優しいムーミンママ、そして素敵な仲間たちに囲まれて暮らす生活もいいけど、ムーミンパパには平和すぎて少々物足りない。一家の主として家族をまもる機会と場所が必要でした。

そう決心したムーミンパパは家族とミィを連れて海を越え、とある小島で灯守台として生きる決意をします。

ムーミンパパが完璧な父親像をもとめて悪戦苦闘するシーンがたくさんでてきます。そして、それが原因で家族崩壊まで導いてします。

父親のエゴから出発して、うまくいけばいいが、自然の過酷さに、家族自体が狂っていく。これはホラーとしても読めます。

 

ムーミンのたからもの (講談社の創作絵本)

ムーミンのたからもの (講談社の創作絵本)

第5章ではムーミンママのセリフがやけにこわい

「おもしろぞ。やけにおもしろいぞ」

あの優しいムーミンママはどこへいったのでしょう。こんな言葉遣いをするといのが衝撃的で、心のバランスが崩れているのを示唆するシーンです。

第6章はムーミンママは自分を見失う

第6章のムーミンママの様子はかなり変です。横になりながら、世界が滅亡する様子を思い浮かべ微笑んでいるのです。

もしも島が流れ出して、ある朝思いもかけず、ムーミン谷のあの桟橋のところへたどりついたとしら、どうかしら。それともまた、沖へ沖へと流されて、何年も何年も漂流したあげく、すべりやすいおぼんの上のコーヒーぢゃわんみいたに、世界のはしからころげおちらどうしましょう。ムーミンママはそう思うと、ひとりでにわらいがこみあげてきました。

そのあと、島に異常が起きていることをムーミンパパが気がついて、みんなに知らせます。

そこでもムーミンママは当然こんなセリフを言うのです。

「みんなでたのしいピクニックにいくのに、ちょうどいい時期よー」

非常事態なのに、なぜムーミンママはピクニックにいく準備をし始めるのでしょうか?

「いますぐピクニックに出かけないと、なにが起こるかわかったものじゃないわ」

世界が滅亡するかもしれないのに、ピクニックへ行こうといいだすムーミンママ

そのあと、みんなでピクニックに出かけます。島の北西の沖にある岩礁に向かって船を漕ぎ始めます。

「みんながやってきた岩は、小さくて冷たく、植物ひとつはえていず、海藻や流木のあとさえも見えませんでした。ひょこりと水の上にあらわれている、灰色のものにすぎなかったのです。」

まるで、核戦争でも起きたような風景です。

http://www.flickr.com/photos/25944494@N00/29230181

photo by hfb

第7章では、ムーミンママの精神崩壊、絵の中に逃げ込みます。

7章では、あまりに過酷なため、現実逃避してします。自分が描いた絵の中に隠れてしまうシーンが度々出てきます。

そして、一緒に行っているムーミントロールはムーミンパパに反抗していきます。

「ちぇっ、おやじがなんだってんだ。カレンダーにXじるしをつけるんだって!それからどうする気だね」

ムーミントロールもこんなセリフを言っています。心のバランスを崩れていきます。

ミィだけはずっと変わらない。どんな状況であっても、現実をしっかり見る力がある。

http://www.flickr.com/photos/46300919@N06/4964145286

photo by 4WheelsofLux Photography

ムーミントロールとモランの関係

これはかなり深いです。検索してみると興味深い洞察がありました。

ムーミン童話とはなにか?高橋静男 於・大阪府立国際児童文学館(講演録)

大好きなこともつこと、それをもって他者と関わることで、他者と自己を解放する原動力になっている。

ムーミンの話にはこのように、自己を解放する話がたくさんでてきます。

第7巻は自己喪失から解放の話がテーマだった

新生活を始めた6人のうち、ミィ以外の5人は全員自分を見失います。そして解放していくお話です。

ひとりの漁師、ホームシックになるムーミンママ、海を調べるうちに、わけがわからなくなり、ムーミントロールに聞くパパ、ひとりぼっちのモラン、自分のすみかをみつけたけどアリをおいだせないでいるムーミントロール。みんな自分を見失います。

しかし、観察と批評と直言が好きなミィ、友達大好きムーミントロール、海と冒険が好きなパパ、ピクニックとパーティが好きなママ、それぞれが大好きなことを持っている人々の独特な個性の交流によって、ひとり、ひとりまたひとりと自分を取り戻し、解放されていきます。その流れはすごいし、ほんとうに美しい。

子供ときに読んでいたら、また違った読み方ができるのではないかと思います。読み手に解釈を委ねる仕組みがたくさんあるお話です。

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トーベ・ヤンソン  仕事、愛、ムーミン

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