ミニマリスト おすすめの本 「スマートサイジング」 その1
捨てる行為と幸せの関係性
モノを捨てると幸せになる。といった本がたくさん売られている。
いったい「捨てる」という行為と「幸せ」にはどういう関係があるのだろうか?
家にあるものを捨てるだけでなく、譲ってみてください。モノを手放せば手放すほど、私たちの心は軽くなる。この感覚は「幸せ」を研究する学者の間では「ヘルパーズハイ」と呼ばれていて、ボランティア活動を通して、人の役に立つことで、ストレスが減り幸福ホルモンが分泌されるのだという。
ただ、捨てる行為だけに着目するだけでは、幸せとの関係性が見えてこない。
幸せとモノとの関係性
モノにお金を使えば、ほしいものは手に入るから、その地点では幸福かもしれない。その幸福感はすぐになくなってしまうだろう。
簡単に言うと、新しいものがほしくなる。ほしいものが手に入るうちはいいが、手に入らない状態になると、ストレス、幸福感がなくなります。
ソニア・リュボミアスキー著『幸せがずっと続く12の行動習慣』(日本実業出版社)の中にも「快楽順応」(心理学用語)についての興味深い記述がありました。
- 作者: ソニア・リュボミアスキー,渡辺誠,金井真弓
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2012/02/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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“ポジティブな出来事や気分を高揚させることが起こると、一時的な幸福感と引き換えに、快楽順応のせいでそのあとの幸福感や充実感が弱まってしまうのです。”
ノックス大学の心理学者ティムカッサーが幸福度に関する件で、
”強い物質主義的価値観は進行する幸福度の低下と結びついている。そして、これは生活への不満や無力感をはじめ、悩み、頭痛などの体への不調、人格障害、自己中心的な考え方、常識のない行動といったかたち表れてきている”
さらに、これを買えばいいことがあるはずだ、そうでなければおかしいという
モノを重視した考え方が、自分を幸せにしてくれるはずの「人と深く付き合う」「好きな仕事をする」ことを見失うことにつながっているからである。
モノばかり買っていたワケ
ある研究によると、私たちは自分が思っている以上に「他人からどう見られているか」を意識しているという。
持ち物は自分の社会的地位の証明ともいえる。また、仕事をがんばった自分へのご褒美として買うこともある。
「ホーダー 捨てられない・片づけられない病」
ショッピングの気持ちのはけ口として、すなわち怒り、ストレス、悩み 憂鬱、退屈、自己嫌悪、緊張、不安、孤独の感情とどうにか折り合いをつけるための手段として使っている。
- 作者: ランディ・O・フロスト,ゲイル・スティケティー,ナショナルジオグラフィック,春日井晶子
- 出版社/メーカー: 日経ナショナルジオグラフィック社
- 発売日: 2012/01/26
- メディア: 単行本
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- モノを手に入れることによっての幸福感には限度がある。
- モノによっての幸福を大事にすることによって、「人と深く付き合う」「好きな仕事をする」ことを見失うことにつながっているからである。
この2点を考えたときに、シンプルライフ、モノを少なくする、ミニマリストの考えは正しいのかもしれない。